シロアリとは
シロアリは名前や形、大きさ、生活様式などがアリに似ていますが、アリとは全く違った種類の昆虫で、アリの仲間ではありません。系統的にはゴキブリに近い仲間なのです。シロアリは一般的に枯れ木や倒木を主な餌としており、それらの主成分であるセルロースを栄養源として生きています。
そして日本に住まいは木造住宅が一般的なので、シロアリの被害に遭ってしまうのです。また一度棲みついたシロアリは増殖を続け、コロニー(集団)に棲息するシロアリが百万匹と超える場合もあります。気付いた時には被害が相当進行していることが多く、修復に数百万円もの費用がかかることも稀ではありません。最悪の場合、建物が倒壊することもありとても危険です。阪神淡路大震災の時にはシロアリに食害されていた家屋の90%近くが全壊したと言われています。
シロアリが好む場所とは
シロアリは乾燥を嫌い温暖多湿を好みます。一般住宅では、台所・洗面所・便所など比較的暖かく水をよく使う所、特にお風呂場に被害が多くみられます。これらの部分は同時に腐れやカビが発生しやすいところでもあります。また、イエシロアリは水を運ぶ能力も持っているので乾燥した天井裏にまで被害を及ぼします。中でも問題となっているのがアメリカカンザイシロアリです。乾燥に強く水をほとんど必要としない為、建物のあらゆる部分に加害します。シロアリは建物の床下から蟻道を通って侵入し木造部分の内部を食い荒らす為発見しにくく気が付いた時には家の土台・柱などに大きな被害を及ぼしているのです。
近年の住宅構造はここが危険!
近年の住宅構造はベタ基礎や外断熱が増えてきています。ベタ基礎とは基礎の立ち上がりだけでなく、底板一面が鉄筋コンクリートになっている基礎のことで耐震性・安定性に優れています。しかしベタ基礎にしていても玄関下、基礎コンクリートの水抜き穴、コンクリートの割れ目、家の外部からの侵入によりシロアリ被害に遭うことがあります。
最近問題になっているのが「外基礎断熱」です。基礎部分に張り付けてある断熱材が格好のシロアリ侵入経路となっています。断熱材の中からシロアリが侵入し気付かない内にシロアリ被害に遭うケースがほとんどです。
シロアリの被害に気付くのは多くの場合、家の中や周囲で羽アリ(
有翅虫)を発見したときです。
群飛(スフォーム)といって新しいコロニー(集団)を作るために、1年に1度巣から多数の羽アリが飛び出します。風邪の強いときや雨が降っている日は飛び出さないようです。
飛び立った羽アリはしばらくして地上に降りると羽を落として雄雌がカップルを作り地中や建物の隙間などに潜入しコロニーをつくります。
家の近くで見つけたら十分に注意して下さい!